幼稚園・保育園入園前までの0~3歳の乳幼児をもつママたち同士で支えあう、ママ友づくりコミュニティー『ナガレヤママムズ』(通称『マムズ』)は2022年3月で3期メンバーが卒業し、4月から4期目を迎える。
対面での交流がしづらくなっているコロナ禍、リアルとオンラインでの交流をコミュニティの主軸としてきたマムズ3期運営メンバーたちは困難を抱えながらも、ママたちをお互いに支えてきた。
その、マムズ3期の運営メンバーのなかに、設立者のまりえさんの名前はない。
マムズは、当事者のママのためのもの
「マムズは、0~3歳の乳幼児を持つママたちのためにつくられたコミュニティです。保育園や幼稚園に入る前の、まだどこのコミュニティに所属できていないママたちの拠り所が自分にも必要、と考えつくったものです。
産後間もないママたちの想いや悩みは、当事者でしかわかりあえないものがあると思っています。わたし自身も、子どもの年齢が上がるたびに育児の記憶は薄れ、また別の子育てに対する悩みが乳幼児の育児とは変わってくると思っていました。
だからマムズは、保育園や幼稚園に入る前の乳幼児を抱える、まだどこのコミュニティに所属できていない、拠り所が必要なママたち当事者同士で運営するべきと、設立前から考えていました。」
コロナ禍によりマムズ1期で培った運営のハウツーが使えない状況になったこともあって、まりえさんはマムズ2期の前半には運営のサポートをしていたが、3期の運営には全くタッチしていない。
つながりをもとめて
2021年度3期のマムズは、6名の1児を持つママたちが運営している。明確な役割分担は決めず、お互いがお互いをサポートするフレキシブルな体制で組織運営している。
乳幼児の育児では急な事情が起こることを、身をもって理解しているママたちは「できるときに、できることを」とお互いに負担をかけないよう留意しながら、コミュニティ運営を進めている。
マムズ2期から運営サポートしているゆきなさんは、1年半前、ニューヨークから流山に転居した。
「3年振りに日本に戻ることになり、夫の職場の近い流山に住むことにしました。日本を離れる前は東海地方や関西で暮らしていたので、流山には縁もゆかりもなく、近くに知り合いはいません。さらにコロナ禍で知り合いをつくる機会も限られることもあって、マムズに参加しました。運営に関わることで知り合いも増えればと思い、運営にも関わることにしました。」
りこさんは、夫の職場と実家の近さにより1年半前に、シカゴから流山に転入した。シカゴで暮らす以前は、関西で生まれ育ち大阪で学校の先生をしていたりこさんも、全く知り合いがいない流山でのつながりを求め、マムズに運営参加している。
「マムズの運営に関わったことで、ママ友がたくさんできました。街や公園でばったり知り合いと会ってお話しできたりランチしたり、人と関われる機会が一気に増えました。息子と違う月齢のお友だちとも遊ぶこともでき、わたしと同じような子育て世代がたくさん街にいるありがたみを感じています。」
りこさんと同じく、夫の職場と実家の近さにより、1年前二子玉川から転入したはなさんも、同じ環境のママたちとのつながりを求めて、参加している。
「はじめての出産で不安や疑問がたくさんあって、同じような想いを共有したり先輩ママと話ができる場が欲しかったです。不安になってしまう離乳食や病気、病院などの話を聞くことができたり、コロナ禍で家に引きこもりがちな暮らしから、外に出るきっかけと楽しみができたのがとてもうれしいです。」
じぶんが、楽しく
緊急事態宣言時にはオンラインでしかママたちと交流できなかったマムズも、最近は対面で会える交流会が徐々に開催可能になりつつある。オンラインだけで悩みを分かち合うまでのママ友にはなりづらく、実際会って楽しさが体感できる、子ども同士も友だちにもなれるリアル交流会ができることは、マムズにとって大きい。
流山歴12年で1児のママ、運営メンバーのなおみさんは、「マムズに入ったきっかけは、以前マムズ主催のママイベントに関わったことからです。その時、ママたちがとても楽しそうにいきいきしていて、昔からの友だちのようですごくびっくりしました。それでかつ、子どもたちが迷子になったり危険な遊びをしないよう、みんなで面倒をみていたことにも感心しました。」と語る。
目黒区から転入し10年の、のりさんと、流山歴4年半の、はるママさんは、「楽しそうにしている運営メンバーを見て、きっと自分も楽しくなれると思ったから、運営メンバーになりました。」と語る。
ママたちはみな、「わたし自分が楽しそうにしていれば、子どもも楽しく暮らせるはず」と語る。
バトンをつなぐ
2022年3月、第3期マムズは卒業を迎えた。産休が終わり復職し離れるメンバーも多く、マムズは4期メンバーに様変わりする。ゆきなさん、りこさん、はなさん、はるママさんが運営から離れ、新しいママたちが加わり4期マムズを運営していく。
ナガレヤママムズ設立者のまりえさんは、今後のマムズへの想いをこう語る。
「たった一人でも、本当に深く長く付き合える友達を探す場として、マムズはつくられました。同じ悩みや孤独を抱えるママたちと共有したい、助けになりたい、そんな想いのバトンが、誰かが無理することなく自然に繋がれていくことを願っています。」