まりえさん

「母になるなら、流山市。」をカタチにする ナガレヤママムズの現在①

 「ママは出産した途端に、ママという役割と責任が与えられ、急激な意識変化が求められます。24時間子どもと向き合わなければならないプレッシャーと、出産前に想像していたイメージをはるかに超える初めての体験の連続に、戸惑いや不安を感じ、孤独感におそわれたりもします。
 ひとりで育児を頑張れるママもいますが、誰もが頑張り通せるわけではありません。真面目で一所懸命なママほど、想定どおりに進まない毎日に苦しんだり、役割を果たそうとして自分で自分を縛ってしまう場合もあるようです。
わたし自身、初めての育児では、子育ての喜びを日々感じながらも、同時にその役割の重さに押しつぶされそうにもなっていました。」

孤独を感じた、原体験

 幼稚園入園前までの0~3歳の乳幼児をもつママたち同士で支えあい、いつでも気軽につながれる。ママ友づくりコミュニティー『ナガレヤママムズ』の設立には、創設者まりえさんの原体験が大きくかかわっている。

子どもたち1

 「1人目の子育て環境は、育児をしているママたちがまわりにいなかったこともあって、夫が仕事から帰ってくるまでのひとりきりの時間は、不安と孤独感に苛まれることも多々ありました。そんなわたしを心配した夫から、子育て世代家族が増えているまちにいつの間にか変わっていた地元の流山への引っ越しを薦められました。」

 流山に戻ることが頭になかったまりえさんはかなり悩んだものの、夫の気配りに応じ、2017年家族で流山に転入した。まりえさんは、積極的にママ関連のイベント等に参加することで、子育てママたちとの交流を深め、ママたちと想いを共有できる喜びを得ることができた。

保育所の子ども

 「ママになるまで、地域でのつながりや家族以外の友だちの存在が、ここまで自分の支えになるとは思いもしませんでした。ママという初めての経験をいっしょに戸惑い、悩んだり想いを共有しながら、並走してくれる友だちがそばにいることが、ほんとうに心強い支えになることを実感しました。」

赤ちゃん2人

 まりえさんはまた、ママになって新しいキャリアを進めている流山のママたちからも強い刺激を受けている。
 「流山には、子育てしながら自分らしく暮らすワークスタイルやライフスタイルをつくり出そうとしているママたちがたくさんいます。わたしも、先輩ママたちがどのように考え、ママとしての新しい生き方を構築しようとしているのかを知りたくなって、先輩ママたちが主催するワークショップなどに参加してみました。その教えのなかで、『自分にはなにができるのか』を考えるきっかけをもらえました。」

ふと思いついた、出産2週間前

 2人目の子どもの出産2週間前、まりえさんはFacebookグループ内での交流を通していつでも気軽にママたちとつながれるコミュニティのアイデアを、ふと思いつき、ママ友づくりコミュニティー『ナガレヤママムズ』(通称『マムズ』)を、2019年3月立ち上げた。

ケーキ

「わたしがそうだったように、初めてのママ体験は不安だらけです。子どもの成長の喜びとともに、ママとしていま何をすれば最適なのかの答えを次々と求められます。その当事者同士でしかわかり合えない想いを共有できる場が、わたし自身も欲しかったですし、転入者が多く子育て世代家族がどんどん増えている流山では、『マムズ』のようなコミュニティへのニーズが必ずあるはずと思いました。
 また、この思いつきをカタチにすることで、ママとしての新しいキャリアが見えてくるかもしれない、と思いだしたら、『マムズ』を立ち上げようとする気になっていました。」

 まりえさんは出産1週間前でのキックオフイベント開催を定め、1週間で参加メンバーを集めることにした。お産前にメンバーとの顔合わせをしておきたいまりえさんの思いは強く、リアルな場でのキックオフ開催にこだわった。

『マムズ』をはじめる、出産1週間前

マムズ交流会

 「毎日が多忙なママさんたちがいつでも気軽につながれるよう、Facebookグループ内での交流を『マムズ』の軸としていますが、面と向かって会えるほうが想いを共有できる実感も強いです。
 ママたちと一緒に進んでいける、この先のコミュニティ活動につなげていくには、キックオフの時点で参加してくれたママたちに『マムズ』の有用性と可能性について共感してもらうことが必要でした。オンラインとリアルでの交流が『マムズ』の特徴ではあるものの、キックオフはリアルイベントにこだわりました。」
 キックオフ当日は、24組の子ども連れのママたちが参加した。イベントに参加したほとんどのママたちが『マムズ』に正式加入したこともあり、有意義なイベントとなった。

見つめる子ども

 予定通り1週間後に出産を迎えたまりえさんは、オンラインで『マムズ』の運営を続け、他のメンバーも花見や料理をつくる会などのリアルイベントを積極的に企画・開催し、市民団体への登録手続きもメンバーの協力のもと進められた。
 『マムズ』のメンバーは設立から1年で120人を超え、順調なコミュニティ運営を進めていたが、そんな中、新型コロナウィルスが発生する。
                                             (②につづく)

ママ友づくりコミュニティー ナガレヤママムズ   https://www.facebook.com/nagareyama.moms/

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