竹澤さん母子

こどもだけじゃない。親だって成長してる。⑦-竹澤さんの場合―

 2018年から流山おおたかの森で夫と2人の娘さんと暮らす竹澤さんは、全日本珠算選手権大会で3回のそろばん日本一、読上暗算競技で10回の優勝経験を持つママさんです。2013年に人類史上初となる19 桁の読上暗算正解を、2022年には自身の記録を更新し20桁正解するなど、日本珠算界で数々の偉業を達成しています。
 現在は自宅近くの教室で子どもたちにそろばんを教えながら、母となったいまも、竹澤さんはそろばん競技に出場しています。

塾風景

母になっても、母だからこそ

 「そろばん競技を続けるには、家族の理解と支えがなければできません。練習時間の確保、子どもたちの世話、大会会場への送迎などの家族の支えがあるからこそ、いまもそろばん競技を続けることができています。
 そろばん競技のトップランクで戦うには練習量が必要ですが、母になってからは子どもとの時間もあるので、母になる前の練習量を確保することはできません。現在は、練習できるときに集中して中身の濃い練習を詰めこみ、昔の感覚を取り戻すことから始めています。
 そろばん競技では計算技術はもちろんのこと、記憶力も大きな要素となるので、当然若い世代のほうが競技において有利なのは明らかです。でも、歳を重ねても母になっても競技に勝てる事例をつくることができれば、わたしにとっても珠算界にとってもこれからの希望のひとつになれるのではと思っています。」

家族バンザイ

 そんな、そろばんの達人竹澤さんでさえも、答えが見えない子育てには苦労があったようです。
「そろばんには練習すれば結果に結びつくわかりやすさがありますが、子育ては何が正解なのかなんてわかりません。競技大会前のキツいそろばんの練習が楽だと感じるくらい、毎日正解が何かを模索し続ける子育ての時期はわたしにとってかなり大変でした。
 長女が生後11ヶ月の頃にそろばん競技への復帰を決めたものの、3時間おきの授乳が夜中も続き、練習するには真夜中しかありませんでした。子育てとそろばん競技の両立には苦労がありましたが、家族からの全面的な協力と応援をもらっている分、いままでより頑張ろう、より結果を求めたいとの思いは強くなりました。」

長女さんテスト成績

 「長い年月がかかりようやく記録更新を達成できたこと、母として達成できたこと、支えてくれた家族とその瞬間を共有できたこと、それらはいまでも大きな喜びとなっています。
 長女が3歳になり、そろばんを始めました。娘の励みにもなってほしいとの思いもあり、現在も競技を続けながら、流山の子どもたちにそろばんを教えています。
 いまは、競技大会に出られることへの喜びや感謝の気持ちをいっぱい感じながら、大会ごとに目標を掲げ実現するため、限られた時間を大切に想い練習と向き合っています。そろばん教室では、生徒たちといっしょに練習できる時間を貴重に思い、いつも楽しく練習に励んでいます。その上で、自分の背中を見せながら、生徒たちを毎回引っ張っていく意識を持ってそろばんと向き合っています。」

誕生日

 「そろばんは、頑張れば頑張るほど目に見えるかたちで級が上がっていき、自分の成長を実感することでどんどん楽しく感じることができます。
また、そろばんは個人でやるものと思われがちですが、例えばそろばん競技には団体戦もあってチーム同士で競うことで、喜びや困難を分かち合う仲間をつくることもできます。
 そろばん教室には、先輩後輩関係なく目標に向かって切磋琢磨しながら、苦しみを乗り越え、喜び合い、高め合える仲間がいます。わたし自身も、たくさんの競技大会に出場することで出来た仲間が、今は北海道から沖縄まで全国に広がりました。
 わたしは、そんなそろばんの持っているさまざまな魅力を、今後も、ひとりでも多くの人に伝えていきたいと思っています。」

けいさんぎのう

https://keisanginou.jimdofree.com/

母、父になったことで、
あたらしい自分に出会った。あたらしい能力が開花した。

そんな、あなたの『#親だって成長してる』エピソードを教えてください。

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