樋口さん家族

こどもだけじゃない。親だって成長してる。① -樋口さんの場合ー

いままでとはまったく異なる日常

 「子どもが生まれたときは、ほんとにうれしかったですし、可愛くてしょうがなかったです。
 でも、子どもが生まれた瞬間から、想像以上に『私自身』よりも『母としての私』を優先しなければならない状況に戸惑う毎日がはじまりました。
 行きたい時にトイレに行くとか、朝起きて顔を洗うとか、お風呂にゆっくり浸かるとか、スーパーで食材をゆっくり見て買うとか、いままで普通に日常的にやっていたことができない日々が続けば続くほど、『私』が失われていくような、そんな変な感覚に襲われました。
 母としてよちよち歩きだったその頃のわたしには、『母としての私』で居続けなければいけないことを、とても窮屈に感じていたのは事実です。」
 樋口さんは、現在4歳のお子さんを持つお母さん。都内の小学校の先生をしていた時に研修で知り合った夫とお子さんと、流山市内で暮らしている。

覗き込む子ども

 「眠れない、ひとりになりたい、なんて愚痴を育児ノートにひたすら書きつづっていた時期もありました(笑)。
 でも、息子がぐっすり眠っている寝顔や顔をくしゃくしゃにして笑っている笑顔などに癒され、息子の成長を日々感じることが私自身の喜びとなっていきました。ゆっくりとですが、私自身の中の『母としての私』がちょっとずつ育ってきているんじゃないかと感じています。
 夫の献身的なサポートもあって、とも加えないと夫に申し訳ないですね。子育てでバタバタしている、そんな私を察して先回りして動いてくれたり、私の気持ちを汲んで休ませてくれたり、支えてくれています。感謝しています。」

大笑い

『母』でもあり『私』でもある日々へ

 「最近は、学生時代の友達に連絡して会ったり、絵を描く趣味を再開したり、『母としての私』だけじゃない『ありのままの私』でいられる時間も持てるようになってきました。それには、息子自身の成長もありますが、私自身も母としての余裕も出てきたからかなとも思っています。
 流山には子どもが生まれてから引っ越してきたのですが、同世代のママたちやパパたちが近くにたくさんいること、ママたちを通じてお友達がつながっていく環境にはとても助けられています。辛いときに話を聞いてもらったり、たわいもない話で笑いあったり。 
 そんなママたちとのつながりのおかげで、この街でこれからも大切にしたい友人と出会うことができました。私がかなり落ち込むことがあったときに、仕事を抜け出してまで駆けつけてくれたのがその友人でした。同じ女性として尊敬できる友人との出会いがきっかけとなって、私もこの人のように自分らしく生きていきたいと思うようになっていきました。 
 流山での貴重な出会いが、『母としての私』も『ありのままの私』も育ててくれているように感じています。」

樋口さんご家族

 「これまで同様息子中心の暮らしは続きますが、どんどん成長していく息子の姿だけでなく、『母』でもあり『私』でもいられる『あたらしい私』に成長した自分にも出会えるんじゃないかと、今後の流山での暮らしを楽しみにしています。」

母、父になったことで、
あたらしい自分に出会った。あたらしい能力が開花した。

そんな、あなたの『#親だって成長してる』エピソードを教えてください。

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