森のワークショップ写真

CultureからNatureへ②

鷹森探求標本室 河野智恵美さん

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昆虫嫌いなママさんのための昆虫教室を流山で

子どもの保育園の保護者会役員になり、イベントのひとつとして、昆虫の専門家による昆虫教室を開催しました。その時に、昆虫の専門家も驚くほど流山には多様な昆虫がいることを聞いたのですが、その割には流山では昆虫教室がないということに気づきました。
ちょうど、流山おおたかの森駅前で開催されていた「森のマルシェ・ド・ノエル」イベント内で、やりたいことを街でどうやって始めればいいのかを話す会に参加したこともあって、流山で昆虫教室を開催したいと思いました。
ただ昆虫の専門家を呼んだとしても、そもそも昆虫に興味のある親子しか参加しないのでは残念です。親が昆虫を避けることで、昆虫に興味のある子供の好奇心を奪ってしまうところを何回か見てきて、非常に残念に思っていました。昆虫が嫌いなママ、パパさんに向けに、元昆虫嫌いな私が昆虫嫌いな人向けの昆虫教室を開いたらいいのではないかと考えるようになりました。
また、流山の自然に惹かれて都心から流山へ転入してきた子育て世代の中で、実際に流山の森へ入った経験がない人も多いことが分かり、もったいないという気持ちもありました。
そして、流山のオンラインコミュニティ「Nの研究室」で、昆虫嫌いなママさんのための昆虫教室をやりたい!と発案し、「鷹森探求標本室」を立ち上げることになりました。
昆虫嫌いな人のための昆虫教室をやっているのは、今のところ自分だけだと思っています。今後は保育園や支援センターなどでも開催してみたいと思っています。

活動の幅が広がり

森に入ると楽しいんです。楽しいと、探求したい気持ちが生まれてきます。流山には森が点在しているので、もっと有効に使える可能性があるし、そうすると流山の暮らしがさらに楽しくなると思っています。
森の中でワークショップなどを体験できる企画「森のあしあと」にも出店して、子どもたちとダンゴムシ迷路で遊んだりしました。この企画には、会場になった森を所有されている方も来てくださり、参加者が森を楽しみ、親しむ様子を見て喜んでくださいました。
また、南流山の学童保育の事業者さんと共催で「流山森マップ探検隊」も始動しました。子どもたちが主体で、流山の森を実際に訪れて情報を編集して地図をつくっていくものです。学童保育の事業者さんは、学校ではできない学び体験をつくりたいと考え、お声がけいただいたということでした。私自身も、子どもが赤ちゃんのころに流山の森に行ってみたいと、森の情報を検索したところ、例えば駐車場やトイレの有無などの情報が見つからなかった経験がありました。“流山の子供たちを小さな森のナビゲーターに”をキャッチフレーズに、いずれは参加した子供たちが家族を森に連れて行って、家族みんなで森を楽しめるようにと企画しました。
子供たちと自然観察会ができるよう、自然観察指導員の講習も受け、日本自然保護協会に登録されています。

自然から知ることを子どもたちとシェアしたい

子どもたちと森に入って、お気に入りの木をそれぞれ一本見つけて名前をつけたりしているのですが、そうすると独特な特徴的な木を選ぶ子が多いです。他と違うことは面白い、かっこいいと気づいてくれたら、そして他の子が選んだ木もそれぞれ全部素敵だと伝わればいいなと思っています。
また、人工物は何か目的があってそこにあるけれど、自然の中では地面に石があったとして、そこに石があることに意味はないかもしれない。目的がなければ、何かの役に立たなければ意味がないと思いがちですが、自然はそうではないことを教えてくれます。さらに、意味のない石だと思っていたとしても、石の裏には生き物がいるかもしれない。自分が気づかなくても、誰かの役に立っていることがあるかもしれない。
自然観察会は、自然の知識を増やす場というよりも、感じたことをシェアする場と言われます。私も子どもたちから教えてもらうことばかりなんです。

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