河野さんの写真

CultureからNatureへ①

鷹森探求標本室 河野智恵美さん

災害に強い街は魅力的

流山は、子供の頃から柏に買い物に行くときに通っていたので知っていましたが、静かな住宅街というイメージでした。夫の仕事の関係で流山に住むことになり13年になります。
仕事と家の往復で寝に帰る街だった流山が、子どもが産まれてからは「母になるなら、流山市。」のキャッチコピーも急に目に入り、子育ても意識するように。アクセスも買い物も便利だし、つくばエクスプレスが開業後、街の変化を見てきて、街への愛着も湧いています。
私の実家は大雨などで浸水が起こることがある場所なのですが、流山はその心配をしないでいられるので、住む場所として災害に強い点にも魅力を感じて、居を構える事に決めました。

自然に心つかまれた瞬間

自分の着たい服を作りたいと、大学卒業後に専門学校を経て、デザイナーとして仕事をしてきました。都心のクラブでファッションショーを開催したり、ファッションの先端といわれる街で過ごしたりして、アートやカルチャーに囲まれる毎日を満喫していました。
そんな中、休みを取ってたまたま予約が取れたアラスカへ友人と旅行へ行くことに。氷河やクジラを見て、カヤック、キャンプファイヤーなどの体験をする中で、自然にはデザイン性があると気づき、心をつかまれたのです。今思えば、カルチャーからネイチャーに気持ちが動いた瞬間でした。
さらに流山に住み始めて間もないころとタイミングも相まって、服の流行の移り変わりよりも季節の移ろいを見るのが好きになっていきました。
ただし、虫だけは大の苦手。流山ではたくさんの虫を見かけます。虫さえいなければ流山に住むのは快適なのに、と思っていました。

子どもが昆虫の世界に連れて行ってくれた

子どもが1歳のときには電車、2歳では宇宙にはまり、その知識を得るために子供自ら英語やロシア語の動画まで見たりするようになって、“好き”というエネルギーの強さを知りました。そして3歳になると、私の苦手な昆虫にはまりました。
これまでの経験から、子どもの好きな気持ちを親が全力で応援すると子どもの知識がどんどん増えていくことが分かっていたので、子どもの興味の芽をつぶさないようにしたい、でも苦手な昆虫は無理かも?と躊躇しました。
折りよく六本木で開催されていた、『デザインから見る虫展』に行ってみることに。そこには、とんでもなく美しい昆虫の標本やプロジェクションマッピングが展示されていて、虫好きな子供よりも虫嫌いな私の方が夢中になるくらいでした。私の中の昆虫に対するイメージがまるで変わり、今までは知識や興味がなかっただけで苦手意識を持っていたことに気づいたのです。例えば、鷹森探求標本室のアイコンにもなっているゾウムシは多様な種類があり、生きていくうえで必ずしも必要なからだのつくりではない種もいます。そして、なぜそんなにユニークなデザインになっているのかは分かっていない種もあるのです。昆虫の世界の多様性に驚きました。

につづく

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