玉村さん

見てくれた人の心に残る庭づくりを

ながれやまガーデニングクラブ「花恋人(かれんと)」主催の、庭を一般に公開する「ながれやまオープンガーデン」。例年5月に開催されますが、3日間で全国から1000人以上が来訪する庭もあります。「花恋人」会長の玉村さんの庭も大勢の方々が訪れ、その美しさに心をつかまれて、しばし時間を忘れるほど。
玉村さんの「ながれやまオープンガーデン」にかける想い、そして庭づくりについてお話を聞きました。

両親の家を引き継ぎました

育ったのは流山です。いったん市外に出ましたが、両親の家を引き継いで流山に住むことになりました。庭にある樹木やブリキの小屋は、私が小さなころからあるんです。両親の思い出をできるだけ残したいと思って。庭づくりは、両親、特に父が好きでした。朝焼けや夕日を見ながらブリキの小屋の前に立つと、昔にタイムスリップしたような気持ちになります。

庭づくりのこだわり

植物やガーデン雑貨は、レア系の一点ものが好きです。ただ、好きなものをそのまま並べるのではなく、色がちぐはぐにならないように配色には気をつけて、エリアごとにテーマも決めています。配色の感覚は、スタイリストやアパレル勤務の経験が活きていると思います。
庭づくりをするにあたって、バラをどのように配置していくかの構想を練りました。バラは春に美しい花を咲かせますが、実は冬の寒い時期の剪定と誘引が大事です。葉が落ちて枝だけになった冬のバラを、春の咲いた状態を想像しながら、ひたすら作業する。バラを育てている方はみなさんそうだと思いますが、なかなか大変ですよ(笑)
それぞれの植物が育つのに大好きな場所を探してあげるのは、ガーデナーの腕の見せ所です。私も12,13年かかってやっと今の形になりました。

“花友”とのつながり

庭づくりを始めてから、ながれやまガーデニングクラブ「花恋人」の会員さんや、Instagramのフォロワーさんのつながりが広がりました。今では全国に“花友”がいて、情報交換をしています。お互いに種や苗を送りあったりして、今、庭にある植物も“花友”からいただいたものが3割くらいあるんです。
InstagramなどのSNSが得意だったわけではないのですが、難しく思える新しいことにもチャレンジしてみようと庭の写真や動画を投稿し始めたら、世界は広がりました。

「花恋人」の会長に

「花恋人」に入会して14年目ですが、「ながれやまオープンガーデン」には入会直後からずっと参加しています。オープンガーデンに来てくださる方々と会話をすることで、新しいつながりも広がります。
会長と引き受けることにしたのは、先輩たちがつくられた「花恋人」をなくしたくない、引き継いでいかねばと思ったからです。会長になると、オープンガーデン期間にそれぞれの庭で事故が起きないか、自分の庭だけでなく心配なことも増え、これまで会長を務めておられた方の重責を思いました。

これからも楽しみながら

これからも「花恋人」が継続していけるように、若い方々にも参加してもらいたいし、そのためにはSNSでの発信も必要だと思っています。今の時代に合うように少しずつですが、変えるところは変えていきたいです。会員さん同士、分からないことは教えあって、楽しめる「花恋人」として続けられればと思っています。
そして、自分の庭については、見てくれた人の心に残るような雰囲気のある、もう一度見たいと思えるような庭づくりを目指しています。

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