生方さん

里山を市民の憩いの場に

森の保全活動を行う「里山ボランティア流山」代表をつとめる生方康之さん。2011年4月に発足し、今年で11年。活動場所は、大畔の森、伊藤家の森、西初石小鳥の森で、月2回の下草刈り、竹林、木道の整備、清掃活動などを行っています。中でも大畔の森と西初石小鳥の森は、2020年から管理を市から委託されることになりました。また、親子を対象としたじゃがいも植え、里山の虫や草花の観察イベント等も開催しています。

生方さんは、群馬県出身。流山にもともと縁があったわけではなく、埼玉県で教員をしていました。妻の実家が流山で、35歳の時に義母を近くで見守るために流山で同居。当時は、教員として忙しい毎日で、住んでいる流山は寝に帰る場所でしたが、群馬に住む父から「流山では何もやらないのか」と聞かれたことをきっかけに、定年後のことを考えるようになりました。土いじりは好きだったので、流山の市民農園に行ったところ、NPOさとやまのメンバーと出会い、同団体の理事をやることになりました。そこから人の縁がつながって、伊藤家の森を保全してくれないかという相談が来ます。自宅から近かったこともあり、個人で保全活動を始めました。

その後、流山市の里山保全ボランティア養成講座に参加したのを機に、「里山ボランティア流山」を10人の仲間とともに立ち上げ、事務局長になりました。森の保全活動は、今まで自分が知らなかった知識を得ることができて面白かったのと、イベントを開催すると子どもたちが参加してくれました。教員をしていたので、子どもたちが楽しみ、新たな体験をする機会に立ち会えることは活動のモチベーションにつながります。当初はイベントを子ども向け、親向けに分けて開催していたのですが、分ける必要性を感じなくなり親子で体験できるイベントにしました。

今では親子の会員含め、50人を超えていることを考えると、親子で自然の中で活動する機会は望まれているのかもと感じています。教員時代に社会教育主事の講習会に参加し、青年の家に勤務した知識や経験、つまり子どもたちは基本的に命令系統では動かないから、興味のあること、やる気を引き出すこと、が森の保全活動に活きることになりました。

現在は代表となった生方さんですが、事務局長は子育て世代のファミリーが担います。このように、森の保全活動を次世代に引き継げるのがうれしいです。せっかくやる気運が盛り上がっているのに、はじめにやる人がいなくて始まらない活動があるともったいないと思います。それならば、自分がやろうか、始めようかと。

過去には7年間、流山市の生涯学習専門員をやって、公民館で健康体操や和菓子づくり講座を担当したり、今でも学童保育の理事になったりと、日々スケジュールが埋まっています。いろいろ考えたり悩んだりする前に、まず動くこと。今後は、里山という場を有効活用するために、さまざまな企画をして、市民の憩いの場にしていけたらと考えています。

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