大岩宝新さん

流山の緑豊かな環境で、多様な音色と技を磨いていく

流山の若きヴァイオリニスト、大岩宝新(オオイワ タカラ)さん。ヴァイオリンの魅力や流山の好きなところ、そしてこれからの夢を語っていただきました。

音楽との出会い

都内に住んでいたころ、家の近くの音楽教室にお友達と一緒に通い始めたのが音楽との出会いでした。3歳のときで、ピアノから始め、4歳からヴァイオリンを習いました。
小学3年生の夏に、ヴァイオリンに絞り本格的な練習をスタート。宝新さんは、ヴァイオリンの技や様々な音色に魅力を感じたといいます。でも、本格的に音楽をやりたい人にとって、小学3年生のスタートは年齢的に少し遅いほうで、基礎技術から習得するため、平日は学校以外のほぼすべての時間が練習、休日は朝から寝るまで練習しました。レッスンをしてくださる先生も熱心に教えてくださいました。

名器といわれるヴァイオリンを弾く

小学4,5年はあまり結果が出ず苦しい時期もありましたが、練習を積み、小学6年生に全日本学生音楽コンクール小学生の部で第2位と聴衆賞。そして翌年、中学1年生で挑戦した同コンクール中学生の部では、第1位と聴衆賞、名器特別賞という最高の結果となりました。そして、サントリー芸術財団から世界的名器である、ヤコブ・スタイナーを貸与されています。このヴァイオリンは約350年前に、最も優れたヴァイオリン製作家といわれたヤコブ・スタイナーによりつくられたものです。宝新さんによると、「弾いた瞬間から音の響きが全然違った。」そうです。

流山の魅力

流山に引っ越したのは、ヴァイオリンの先生が千葉県にお住まいだったことがありますが、小学校も含め流山の環境の良さに魅力を感じたからでもあります。都内に比べ緑が多く、キジやウサギなどのいきものを見かけることも。高校生となった今は、毎日8~10時間ほど練習をするのですが、騒音が少なく静かな流山で練習に集中できています。宝新さんのご両親は、「流山に来て、学校、先生、地域の方など本当に人に恵まれたと思っています。」と話します。意外だったのは、宝新さんのご家族は音楽経験があったというわけではなく、宝新さんがやりたいという環境を整えていたら今に至ったということです。
宝新さんにヴァイオリンで得意なことを聞くと「音色と共鳴」と返ってきました。弓のどの部分が触れると、どんな音が出るのかの試行錯誤を繰り返します。そして、弦を押していない音をふるわせる指の微細な感覚と響きを耳で確認していくこと。ヴァイオリンは音程を取ることが大変難しく、そのための練習にとても時間がかかるそうです。感情を演奏で表現するためには、気持ちだけではなく技術力を高めることが必要で、冷静さと情熱の両方を持つことが重要だといいます。
ヴァイオリンをやっていて一番うれしい瞬間は、「コンサートで最後の一曲が終わって、大きな拍手をもらえたとき。」だそうです。今持っている技と、これから学んでいく知識を合わせて、音楽の楽しさをみんなと共有することができたら嬉しいといいます。好きな音楽家はモーツァルト。旋律、リズム、特に低音のコントラバスの響きが心地よいと話してくれました。

これからの夢

3か月に1回くらいの頻度でコンサートに臨みます。それと同時に、この夏はフランスへヴァイオリンを学びに行く予定です。いずれは海外留学をして、もっとヴァイオリンの知識を深め、唯一無二の音色と表現力をもつヴァイオリニストになりたい夢があります。そのために日々努力を重ねます。

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