花が身近にある暮らしを日常に

SDGsに関心があり、ロスフラワーの存在を目の当たりにした三田さん。子どもたちに生け花の花育をしていきたい原さん。ふたりはある料理教室で出会い、お花が好きなこと、下の名前が「まい」と同じ、流山在住のママという共通点がありました。料理教室の帰り道で「お花でこんなことができたらいいよね。」という会話の中から、「一度市場に行ってみようか?」となり、流山でFlowerDanceを立ち上げました。

子どもの頃から花が好き

三田さんは、長くアパレルの仕事を続けていましたが、退職するにあたって「今後は自分の好きな働き方をしよう。」と複数の仕事を経験、その中でも花屋さんでの仕事がぴったりはまったといいます。実家は松戸で愛着もありますが、夫の気に入った物件があり流山へ転入。今は発展する勢いと市民の活動をサポートする体制に「流山、すごい!」と感じています。
原さんは、子どもの時の夢がお花屋さん。中学校から華道部で花に親しんでいましたが、花を仕事にするのは難しいのでは、と他の仕事を選びました。しかし、花にかかわりたいと転職。江戸川区にお住まいでしたが、妹が流山在住なこともあり、転入されました。
ふたりとも、子どもの頃から花が好きだったそうです。

ロスフラワーを実際に見て

三田さんが家族旅行で南房総に行ったときのこと。宿泊先のおかみさんの妹がフリージア農家で、ハウスを見学させてもらうことになりました。花の長さが足りないだけで市場には出せず、ハウス2つ分のフリージアの廃棄をしなくてはいけないと聞き、「捨ててしまうのであれば、私たちの活動に協力していただけないか」とお願いをしました。市場に出ないで廃棄される花、ロスフラワーのことは前から知っていましたが、生産者さんが丹精込めてつくった花が一度も出回らないのを何とかしたいと思いました。自家用車にたくさんのフリージアを積んだ帰り道に、原さんに連絡をして「明日、フリージアを売ることにしたけど、もしよかったら一緒にやりませんか。」と誘いました。原さんは「明日?!」と驚いたそうですが、やることにしました。
初めてのロスフラワー販売は告知の時間不足もあり、たくさん売れたというまでにはいかなかったのですが、今後ロスフラワーが販売できる場所を複数探していこうとなりました。4月のはじめに、流山おおたかの森駅の森のまち広場のイベントで生け花ワークショップとロスフラワーの販売をしたところ、雨天なのに多くのお客さまが来られ、需要はあるかもしれないと感じました。

生け花はアート

生け花小原流を学んだ原さん。生け花は日本の伝統文化、グローバル化が進む中で、日本人として子どもの頃から触れる機会があればいいと思っています。生け花は剣山を使うことで、花を縦だけではなく横方向にもさすことができます。まさに花を使って空間をつくる、アートです。
また少ない花材でも映える表現ができるのも魅力でもあり、じっくり向き合う必要もあります。例えば、花の向き、どれくらいの長さや角度だとキレイに見えるか観察し、自分で決断していく判断力、一本だけキレイに見えるのではなく全体のバランスを考える俯瞰力、時には花を切り過ぎてしまうこともありますが、短くなった花をどう挿したら素敵に見えるか臨機応変に考える力も要ります。生け花は子供の心と脳を育む「教材」になると考えています。
生け花というと、難しい、敷居が高いという印象を持たれがちですが、ワークショップ体験をすることで、生け花のとっつきづらいイメージを壊していきたい。そして、生け花の授業が学校で開催されるのが夢でもあります。
三田さんのロスフラワーとコラボして、生け花のワークショップを流山からやってみたいとふたりの化学反応が起こりました。

花のある暮らしを日常に

FlowerDanceという名前は、原さんが好きな小原流生け花のいけ方である「花舞」(花が舞うように生ける)と、ふたりの下の名前「まい」からつけました。
日本では、花というと特別な日、ギフト用の印象もありますが、自分のために日常を彩るものとして花と仲良くなってほしい。華道はもともと僧門から始まったものですが、貴族や武士の精神修行を目的とした嗜み事となり、花を通して自分と向き合うといった面もあるそうです。廉価なロスフラワーを活用することで、気軽に親しむことができるとのことです。現在は、ロスフラワーを1,000本仕入れていますが、3倍、10倍と増やしていきたいと語る三田さん。今後、オレンジのかわいい自転車に花を積んだ風景が、あちらこちら市内で見られるかもしれません。

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