伊藤さん、郡司さんの写真

まずは、いっしょにあそぼう

プレーパーク流山 伊藤さん 郡司さん

毎週木曜日、そして月1回の放課後と休日のプレーパークを、流山市総合運動公園で行っている「プレーパーク流山」共同代表の伊藤美紀さん(みっきー)と郡司直幸さん(ぐんちゃん)。プレーパークは、子どもも大人もみんながそれぞれに好きな遊び・過ごし方をする場所です。場を立ち上げた想いや、プレーパークの魅力について教えていただきました。

すごいタイミングの出会いでした

(伊藤)プレーパークは別の枠組みで開催していたんです。運営が変わるタイミングのプレーパークに、ぐんちゃんがちょうど来てくれて。フリーランスのプレイワーカーをされていて、流山市民でもあり、偶然にも出身大学も専攻も同じだったんです。
(郡司)流山でもプレーパークをやっていることは知っていて、一度行ってみたいと思っていました。フリーランスプレイワーカーですが、仕事としてではなく、いろいろな地域のプレーパークを見たいという気持ちもありました。
(伊藤)初めて会った人に、すぐに「一緒にやりましょう!」とはならないですけど、ぐんちゃんの子どもたちへの関わりを見ていて安心できました。

プレーパークはそれぞれ違う

(伊藤)本当にやりたいことをやらなければ、自分でプレーパークを続けていくのは難しいと思いました。やれる規模がたとえ小さくなったとしても、運営スタッフや、来てくれる子どもたち、みんなで楽しみたい。それがこだわりでした。
(郡司)プレーパークは各地にありますが、運営するスタッフ、場所、参加する子どもたちで変わります。どれが違うとか間違っているということはなく、正解はないと思います。自由にあそびをつくる場だから。
(伊藤)そのため、プレーパーク流山の目指したいことを、まずは共同代表のふたりが言語化する必要がありました。私たち含めスタッフは10名ですが、言葉で伝えてお互いの意見を聞き合い、理解を深めていく。その作業は大変でしたが時間をかけました。
(郡司)スタッフそれぞれも意見が違うので、話し合いに時間をかけたことは、結果的に良かったと思います。今は毎回のプレーパークでもスタッフが自ら動いてくれて場がまわっています。自分の得意を知ったうえで、苦手なことも克服しようとしています。

場をつくった想い

(伊藤)第二子の子育てをしていて、子どもって面白いなとあらためて思いました。子どもに直接関われることをしたいと、おもちゃコンサルタントの資格を取りました。その後、地域で活動をしている中で、プレーパークに出会い、今一番やりたいことはこれだと気づきました。
子育てをしていていざ外に出ると、子どもが自由に遊べて、主体的に活動できる場所がほとんどないと感じました。公園でもルールを守って遊ぶために、親として子どもに頻繁に注意せざるを得ない場面があり、もやもやを感じることがあります。プレーパークは、自由に遊びをつくる場なので、子どもに細かく注意しなくて済むし、そうなったら子育てが楽しいと思えるのではと。
また、プレーパークで子どもたちと遊んでいると、やっぱり子どもって面白い、なんて面白いんだ!と自分の中でかちっと何かがはまる瞬間がありました。自分の子どもだけでなく、いろいろな方にも子育てに関わってもらえたらという想いもあります。プレーパークは親子で遊びに来てもバラバラに遊ぶことも多いです。他者から子育てを学ぶ機会は、なかなか得られないですよね。
(郡司)プレーパークを題材にしたドキュメンタリー映画を見たときに、「なにをしてもいい。なにをしなくてもいい。」という言葉にはまったんです。何かをしようというイベントはたくさんありますが、何もしないというイベントってないですよね。
でも、何もしていないように見える子どもは、実は頭の中でいろいろ考えていたりします。何もしない選択肢が子どもにもあってもいいのでは。そんな時間を保証したいという気持ちになりました。そして私自身もそういう過ごし方に憧れます。

関わり方もそれぞれ

(郡司)共同代表もそれぞれプレーパークへの想いって結構違うでしょ。(笑)私は、子どもたちとの関わりはどちらかというと種まきタイプ。遊びのヒントを伝えることはあっても、入り込んであそぶタイプではないかなと思っています。入り込めないことが課題だとも思っているんですけど。そして、ひとりであそぶ子どもが、ひとりの時間を楽しんでいるのか、輪に入りきれないのか意識を向けます。みっきーは、全体を見つつも個々にも目が行き届くこまやかさがあります。
プレイワーカーって、自分の価値観を壊し続ける仕事と言われますが、確かに子どもたちに自由にあそぶ場と言っているので、自分が凝り固まったらいけないですよね。
(伊藤)子どもたちって自分で成長する力を持っているなぁと思います。むしろ大人が教える、与えるものってほとんどないんじゃないかと。大人に促されるのではない、子どもたちの心から出る「ありがとう」や「ごめんなさい」ってすごいんですよ。身近で聞くと感動してぐっと来ます。だから、プレーパークにいる周りの大人は関わり方に気を付けないといけないと思っています。

続けていって文化にしていければ

(郡司)公園のプレーパークは、予期せぬ出会いがあります。進化させていくというよりも、流山で日常的にこの環境が続いていけばいいと考えています。続けるためには、どんなやり方がよいのかは、これからも模索していきます。
(伊藤)子どもも大人も生き生きと遊べる文化が流山に広がったらいいなと思います。プレーパーク流山で遊んだ方が、別の公園でもそれを広げていってくれたら嬉しいです。

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