小園さんの写真

地元の食材や旬が楽しめる空間づくりを

築124年、国登録有形文化財の笹屋土蔵をリノベーションしたカフェ&バル「蔵ごごろ」が、2023年1月にオープンしました。店主である小園さんに、ここでお店を開く魅力や、流山への想いについてお聞きしました。

江戸川を見て「いいなあ」と

出身は鹿児島です。前職の転勤で関東へ引っ越し、妻から「流山がいいらしい」と聞きました。実際に行ってみると、江戸川の景色が広がっていて「いいなあ」と、流山を住む場所に選びました。住んで8年ほどになりますが、流山は地域によって、特色があり多様な魅力がありますよね。
また、人の暮らしになくてはならない、衣食住に関わる仕事に就きたいと考え、これまでの仕事を辞めて、南流山で25年お店を営んでおり、自分の出身地である九州料理を出す酒処皓大で働くことを決めました。

調理の世界へ

前職がブライダル業界だったため、海外も含め様々な料理を見て食べてきましたが、今度は自分が調理してお客さまにお出しする側です。もともとお酒が好きなので、お酒を飲みながらみんなが楽しめる空間をつくりたい。そして、自分の故郷の生まれ育った味を提供したい。そんな居酒屋をやってみたいという夢もありました。
接客も好きでしたし、南流山の酒処皓大では7年半ほど勤めましたが、お店の常連さんも多く、楽しく居心地もよかったです。酒処皓大の2号店の話をもらった時も、自然な形で出店場所を探し始めました。

シェアキッチンでの経験

2号店の場所探しの間に、平和台にあるシェアキッチンAZCAFEを借りることになりました。そこではじめて、集客するという経験をしました。これまでは、お店があって常連さんもいて、お客さまが来てくれるのが当たり前な感覚もありましたが、シェアキッチンでは、自分からアピールしないとお客さまが来てくれません。また、シェアキッチンで同じく飲食店を目指す方々と出会い、食にかける想いや姿勢を見習う点も多かったです。ここでご縁があった方々とは、今でもつながりが続いており、スイーツやお茶の提供などお互いの得意を活かしてコラボしています。

笹屋土蔵で2号店「蔵ごころ」をオープン

2023年1月に、国登録有形文化財で築124年の笹屋土蔵をお借りしてお店をオープンすることができました。これも本当にご縁の力です。大通りから一本入った場所なので、「あの場所で飲食店やって大丈夫?」と言われることもありましたが、地元の方々や市役所の職員の方など、オープンに際しては多くの方にご協力をいただきました。
ランチも提供するところが南流山のお店とは違うので、新たな挑戦でもありますが、歴史ある建物でお店を開けたことの価値をあらためて感じているところです。お客さまは、この雰囲気を選んで来てくださるし、ここで食事することで美味しさが増すと思います。

地域とつながりながらお店を続けていきたい

流山で生まれ育った昔ながらの方々とのおつきあいも好きですし、流山での人のつながりもさらに広がりました。野菜は、流山の生産者さんにお願いしています。例えば出身の鹿児島料理で使うさつまいもは、九州と同等、それ以上のクオリティで安定的に提供いただいています。
今後は、収穫したての野菜が並ぶ朝市や、味噌仕込み講座などの企画もしていきます。発酵についても勉強したいです。ブライダル業界の経験から、新しい企画をするのは得意かもしれません。現状に満足することなく、先手をうちながら戦略的にインプットを行い、夜はご近所の方が気楽に寄れて、昼はお客さまを飽きさせない旬のメニューを提供することで、様々なところから来ていただきたいです。

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