「PTA役員募集の手紙が配られて、立候補するか他薦するかを選択するよう記載があったんです。PTA会長であれば現状を変えられると思い、PTA会長に立候補することにしました。」と切り出した小山小学校PTA会長の峰松さん。会長は3年目ですが、活動を手挙げ制にするなど、PTA役員とともに改革を行ってきました。「学校も家庭の生活スタイルや働き方の変化によって変わっていかなければいけないと思う。」と松山校長も答えます。「はじめは、峰松会長のスピードに驚く人もいました。」と振り返るPTA役員・広報ボランティアの方々。
小山小学校でまわり始めた、あらたなPTA活動についてお話をお聞きしました。
PTAに新しい風を①は、こちら
子どもたちのために、という想いが一緒になった
松山校長が小山小学校に着任したのは、今年の4月です。ICTを活用した教育の展開や教員の働き方改革など、いかに効率よく学校を運営していくか、小学校も変化する必要があると考えていました。峰松会長をはじめPTA役員のみなさんの改革への想いは、今や共働き家庭のほうが多い地域の小学校でもある中、時流に合っており、学校側の課題認識や熱量と一緒だと感じたそうです。
「例えば、生徒の使うPCの初期設定は数が多くて時間がかかります。でも、それを保護者の方々に協力お願いすることは申し訳ない気持ちがあり、その手続きも煩雑でした。教員の働き方改革とはいえ、それらの作業は時間がかかっても教員がやるしかないと。でも、協力のお願いがデジタルツールでできるようになって、PC初期設定にも協力を申し出てくださる保護者の方が多くいらっしゃいました。」一番は子どもたちのために、という保護者の気持ちとスキルと、学校のニーズの双方がマッチングした瞬間でした。
広報ボランティアの方々も、学校側が小さいイベントや学校活動でも情報を開示してくれるので、学校をより身近に感じているそうです。ブログ掲載用の取材で学校に行く相談もしやすくなりました。
まだ改善できることはあります
現在は子どもたちのクラブ活動が26ありますが、数を増やして、学校とPTAが協力しながらスキルのある保護者の方々にも入ってもらおうと考えています。登下校の旗振り当番は、保護者の都合のつくシフトに入れるようなデジタルツールを使い始めることにしました。また、街なかに子どもたちの見守りスポットを整備する見守りサービスを導入する予定です。これは、学校、PTA、保護者だけでなく、地域の自治会の方々とも連携し、輪を広げていきたいそうです。そして、小山小学校だけでなく市内小学校とも情報共有を始めています。
「PTAに課題を感じつつも、誰がどのように変えていくか、には壁はあるかもしれませんが、子どもたちのために本当に役立つ活動であることが大事だと思っています。」と峰松会長が話すと、ボランティアの方々からは「活動について本音でぶつかり議論になることもあるけど、良くしていきたいという目標が同じなので、最終的にはみんな仲良しです。」とすぐに返しがあるところにも信頼感が見えます。これまでは役員・委員の打ち合わせスケジュール調整がとても大変でしたが、リアルに集まるのは本当に必要なときのみ、デジタル会議ツールを使うことで、場所にとらわれずにより意思疎通もできるようになりました。
仕組み化をしていきます
小学校を卒業しても関わりたいという保護者の方の声や、卒業生の子どもたちが落ち葉掃きのボランティアに参加するなど、活動は認知され広がってきています。自分の子どもだけでなく下校のときに顔見知りの子どもたちから声を掛けられ、今日学校であったことなどを聞けたりするのがとても嬉しいといいます。
これらの活動が、今の校長と会長だからできた、いなくなればできなくなるということにならないように、これからは誰がやっても回るような仕組みづくりをしていきたい。学校としても、地域の特色に合わせて地域で子どもたちを育てていくコミュニティスクール構想を取り入れていきたい。
小山小学校は、児童数がまだ増えていく見込みですが、学校、PTAそれぞれが意見を言い、話し合える関係性がしっかりできていました。