「古舎(ふるや)カフェ灯環」オーナーの秋元さん。流山本町の蔵のカフェで10周年、そして移転し、古舎を改修して2023年1月にリスタートしました。灯環は「この場所が大好き」というファンの方々が多いお店です。
カフェオープンは夢でした
いつか自分の理想の空間でカフェをやりたいと思っていました。そんなときに、流山本町の観光地づくり推進事業で、流山本町に残る蔵などをリノベーションする補助があると知りました。創業150年を超える数少ない歴史ある土蔵があり、自分のカフェのイメージが広がりました。国登録有形文化財であるこの土蔵で、長年の夢をかなえられたらと思いました。
そこからカフェオープンまでは、かなりタイトなスケジュールでしたが、2012年に「蔵のカフェ+ギャラリー灯環」をオープンしました。灯環という名前は、訪れていただいた方の心に灯りをともすような環境をつくりたいという思いを込めています。
みりんスイーツが好評に
せっかく流山でカフェをするのですから、地域にこだわりたい。流山は白みりん発祥の地といわれているので、オープンすぐではありましたがみりんでスイーツをつくることに挑戦してみました。試作を重ねてできたのが、「ほっこり みりんdeスイートポテト」です。さつまいもにみりんを入れて深みのある甘味を出し、さらに煮切りみりんを上からシロップのようにかける、みりんを存分に感じていただけるスイーツです。期間限定で出すつもりが、人気となり、テレビなどのメディアにも何回も取り上げていただき、今では定番メニューとなりました。そのほか、発酵について勉強し、糀をメニューに取り入れています。
「蔵のカフェ+ギャラリー灯環」は住宅街の中にあって、隠れ家的なところが気に入っていました。わかりづらい場所にあって大丈夫?と聞かれることがありましたが、むしろそこがいいんです。「このお店は癒される、落ち着く」と通ってくださるリピーターのお客さまのおかげで支えてもらいました。
10年続ける目標を達成
カフェを始めたとき、「まずは10年続けられるよう頑張ろう」と目標を立てました。通ってくださるお客さまのおかげで、それを達成し、1月には流山本町の新たな場所で「古舎カフェ灯環」をオープンさせることができました。ここは、昭和38年築の流山食糧さんの倉庫だった古舎を改修。古舎といっても、とてもきれいに維持されていて白とグレーの外装、梁の見える高い天井、三和土の床、木製の建具などを活かし趣のある雰囲気をそのまま残しました。改修にあたっては、壁を塗るワークショップを行い、30人以上の方々にご協力をいただきました。今回もオープンまでは慌ただしい毎日でしたが、お客さまの「楽しみにしています」「オープン待ってます」の声をいただき励まされました。オープンすぐから、たくさんのお客さまに来ていただき、ありがたいです。
手仕事と天然素材がコンセプト
ここでも、みりんスイーツや、地元の食材や糀をつかったランチなどを毎日手作りしてお出しします。私が長年愛用している笠間、益子焼の器や、イラストレーターさん、作家さんの作品もご紹介していきます。不定期でワークショップやギャラリーも開催して、大人時間を過ごせる空間をつくっていきたいです。流山本町には、ほかにも個性的な素敵なお店がオープンしています。一緒に地域を盛り上げていきながら、カフェ空間がつくられていくプロセスも楽しんでいただけたら嬉しいです。