金川さんの写真

ボランティアを明るく身近にライトに

子育てをしながら、南流山子ども食堂を立ち上げ、ピアニスト活動に加え、ピアノ教室も主宰される金川聡美さん。ミセスユニバース日本大会で「ミセスユニバースジャパン準グランプリ」となり、ブルガリアで開催される世界大会に挑戦されます。その挑戦への想いやこれからをうかがいました。

サポートされる側からサポートする側へ

子どもを出産直後は、母の介護が重なり、人生で一番しんどかった時期でした。心身ともボロボロに近い状態で、流山市のファミリーサポートセンターに連絡したら、「とにかく今から話しましょう」となり、サポートしていただくことで少しずつ元気になれました。
母は亡くなる前に「元気になったら社会貢献活動をしたいね。」と話していたこともあり、南流山子ども食堂をゼロから創り、食や学習支援、家庭訪問活動を行うことにしました。2017年に立ち上げ、これまで4000人近い子どもたちの食の支援をしてきました。子ども食堂は、貧困などで困っている子どもたちの食事の支援をする場所と思われがちなのですが、誰もが気軽に来られる場所を目指して運営しています。

ボランティアへの新たな向き合い方を

「ボランティアをするうちに「自分のことをわきに置いて自己を犠牲にしてやるもの」という概念が評価されやすい事に疑問を持っていました。」
また、私がサポートさせていただいている方は、家庭訪問でお食事をお届けしたときなどは「助かりました!」とおっしゃるのですが、なかなか根本的に元気に幸せになっていかない、困難な状況を繰り返すケースもありました。それは、「私なんて・・・」と無意識に自分を大切にしていない、どこか人生を諦めている部分があるのではないかと考えるようになりました。私は優しく寄り添い食事を届け、時には行政支援に繋げるなど物理的な問題排除に奔走した。しかし、結局「自分を愛する」という事を飛ばして外側を整えても、彼らは幸せになっていかないのだと気が付きました。
つまり、自分を大切にすることは、ボランティアをする側、サポートを受ける側両方に必要なのではないか。そして、自分を大切にする第一歩は、まずは自分の見た目を整えること。見た目?そんなことで?と言われるかもしれませんが、私の出産直後の経験からも、見た目をまず整えるのは自分を愛する第一歩になると思っています。
何も煌びやかに着飾れというわけではありません。制限かけずになりたい自分になろうよ、という事です。

ミセスユニバースへの挑戦

子ども食堂とミセスユニバース、どういう関連性?と聞かれることもあります。ミセスユニバースに挑戦するのは、ふたつの理由があります。
ひとつは、ミセスユニバースが社会貢献活動を重視していること。そして世界大会まであるので、代表に選ばれれば子ども食堂や子ども食堂をやっている自分を世界に発信することができます。発信が広く届くことで、子ども食堂をやってみたい方の一歩を踏み出すきっかけになれるかもしれません。
ふたつめは、ボランティアを自己犠牲ではなく、自分を大切にしながらやっていく方法もあると発信すること。ボランティアのこれまでのイメージの壁を壊したい気持ちがあります。ボランティアは、もっと明るく身近に自分ができる範囲で始められればいいのではないかと私は思っています。
とは言っても、コンテストへの挑戦は「自分が目立ちたいだけ」「ボランティアを自己アピールに使うなんて」と批判されるのではないかと、怖くて仕方なかったです。そもそも、私自身が他人の外見の魅力にあまり興味がなかったこともあり、ミセスユニバースに挑戦する私をまわりが受け入れてくれるのだろうかと不安もありました。

挑戦して分かったこと

ミセスユニバースに挑戦する中で、自分も人の目を気にして自分の殻から出られていなかったことに気づきました。多くの方に見られることで、余分なものがそぎ落とされ、自分軸が強くなっていくことも感じました。そうやって行動していくと、新しいご縁がつながっていきます。今の自分には少しレベルが高いと感じる環境に敢えて身を置くことで、成長を実感しています。これは、自分のピアノ教室の生徒たちにも少しだけ難しい課題に取り組むように指導するのにも似ています。
この挑戦で家族にも迷惑をかけているのではないかと罪悪感を持っていましたが、自分がやりたいからやっている、楽しむんだ、とふっきったところから、家族のサポートも逆に得やすくなりました。
日本大会では準グランプリという結果をいただき、日本代表の一人として来年2月にブルガリアで開催される世界大会に出場します。

これからも「好き」でやる

私は、子ども食堂をやっていることが本当に楽しいです。困っている、悩んでいる方の話を聞いて、幸せな方を増やすことに貢献できたらそれに大きな喜びを感じます。最近は、仏道にも興味が出てきました。ミセスユニバースをはじめ、様々なことに挑戦していますが、やりたいことのおおもとはぶれていないと思います。これからもいただいた出会いやご縁を大事に、自分らしく活動していきます。

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